食糧危機を救う鍵としてもてはやされたコオロギ食。
しかし、昆虫食に対する嫌悪感や数多くのバッシングから、コオロギ食は廃れていきました。
衰退の影響は大きく、コオロギパウダーを取り扱ってきたクリケットファームが2024年1月に破産したそうです。
今回は、破産したクリケットファームについて調べてみました。
クリケットファームとは?
クリケットファームとは、国内産の昆虫食(コオロギ)を育てる日本のフードテックベンチャーのことです。
長野県茅野市に工場を持ちます。
彼らは次世代の食糧として注目されている昆虫である「コオロギ」を育てています。
昆虫食において、コオロギは優れています。
コオロギは高い栄養価を持ち、タンパク質、アミノ酸、鉄、亜鉛などが豊富に含まれています。
また、飼料、水、敷地の使用量が少なく、生産過程での環境負荷が低いのも特徴です。
クリケットファームは、コオロギをパウダー状にして販売し、お好み焼きやスープなどの料理に混ぜることで、簡単に摂取することができます。
クリケットファームの強みとして、スマート養殖とIoT技術が挙げられます。
温度、湿度、水、餌などの環境管理にはIoT技術を活用しており、スマート養殖により、効率的な飼育と人材コストの削減を実現しています。
「安心して取り入れてほしい」という想いを込めて、自社工場で厳格な品質管理のもとで育てているそうです。
以上のことから、クリケットファームは、持続可能な地球への貢献を目指して、昆虫食文化を広めています。
持続可能な地球への貢献を目指して、昆虫食文化を広めている素晴らしい企業だったクリケットファームですが、なぜ破産してしまったのでしょうか?
クリケットファームが破産した理由
結論から述べますと、昆虫食が世間に受け入れられなかったからです。
昆虫食が世間で受け入れられなかった理由は、以下の通りです。
- 偏見
- 心理的なハードル
- 嫌悪感
- 供給と加工の問題
- マーケティングと普及の不足
- 規制上の問題
- 購買力と価格
- 文化的な価値観の違い
それでは順に解説していきます。
偏見
昆虫食はゲテモノというイメージが強く、受け入れ難いと感じる人々が多いです。
近年、SDGsの観点から、昆虫食が注目されていますが、昆虫食に対する偏見は全然払拭できていません。
牛や豚とは異なり、昆虫を食べる機会が全くないため、食品として受け入れるためのハードルがあまりにも高すぎます。
心理的なハードル
昆虫は一般的に人々にとって不快なものと見なされており、その姿や触感に対する嫌悪感があります。
多くの人々が、昆虫を食べることに対して心理的な嫌悪感を抱いており、それが昆虫食の普及を妨げています。
嫌悪感
肉や魚と異なり、昆虫食の見た目が気持ち悪いです。
虫嫌いな人が多いこともあり、昆虫自体に強い嫌悪感を持っているため、食べようとすら思いません。
供給と加工の問題
昆虫の大量生産や衛生的な加工は技術的に難しい場合があります。
昆虫を効率的に飼育し、安全かつ衛生的な状態で加工するためには、適切な施設や技術が必要です。
このため、供給や加工の問題が昆虫食の普及を妨げる要因となっています。
マーケティングと普及の不足
はっきり言って、昆虫食のメディアミックスは、昆虫食のメリットや魅力的な側面が効果的に伝えられていません。
消費者は、昆虫食が持つ栄養価や環境への貢献などの利点を理解していないため、昆虫食が普及することはないです。
購買力と価格
昆虫食の製品は、他のタンパク源と比較して高いです。
種類や加工方法によって異なりますが、一般的には100グラムで1000円から2500円程度が相場とされています。
これは、他の食材である魚粉や小麦粉などと比較するとかなり高額です。
昆虫食が高額である理由は次の通りです。
- 昆虫の原料自体が高い
- 昆虫を加工するコストが高い
- 昆虫食の販売ルートが限られている
それでは順に解説していきます。
昆虫の原料自体が高い
昆虫を養殖する業者が少なく、生産量が限られているため、価格競争が起こりにくいです。
昆虫を加工するコストが高い
昆虫をパウダーやバーなどに加工するには、専用の機械や技術が必要であり、大量生産しないとコストを下げることが難しいです。
昆虫食の販売ルートが限られている
昆虫食はまだ一般的に認知されておらず、大手スーパーやコンビニなどの流通に乗りにくいため、製造や流通のコストを下げることが難しい状況です。
以上の理由から、昆虫食の価格は高いです。
そのため、購買力の低い人々にとっては手が出しにくいため、昆虫食の普及が遅れるのです。
文化的な価値観の違い
昆虫食は一部の地域や文化圏では一般的ですが、他の地域では受け入れられにくい場合があります。
これは、人々の食文化や伝統に根ざした食習慣の違いによるものであり、昆虫食の普及において文化的な違いが影響を与える要因の一つです。
以上のことから、昆虫食は世間に受け入れられず、衰退してしまいました。
昆虫食衰退の煽りを受け、クリケットファームは潰れてしまったみたいですね。
まとめ
今回はクリケットファームが破産した背景について調べてみました。
昆虫食はSDGsの観点で注目される一方で、「ちょっと苦手かも」「形そのままでくると、ちょっとうわってなる」「見た目が無理」などといった嫌悪感も強く根付いています。
メディアミックスによって、昆虫食に対する嫌悪感を全然払拭できていないので、昆虫食を普及させるのは厳しかったですね。
つまり、クリケットファームが破産したのは、時代が早すぎたということだね。
今後、時代の変化によって昆虫食が受け入れられる日も来るかもしれません。
いつか昆虫食が受け入れられる日が来るといいですね。
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